2015.07.14 | ニュース

低カロリー食と運動で改善、睡眠時無呼吸症候群による影響の解明へ

ブラジル24人のランダム化研究

from Obesity (Silver Spring, Md.)

低カロリー食と運動で改善、睡眠時無呼吸症候群による影響の解明への写真

閉塞型睡眠時無呼吸症候群は、眠っているうちに口からのどにかけての空気の通り道が塞がってしまうことにより呼吸が止まってしまい、日中の眠気や頭痛などの症状を起こす病気です。肥満の人が減量すると改善する場合がありますが、このとき酸素や二酸化炭素に体が反応するパターンの研究がブラジルで行われ、睡眠時無呼吸症候群で見られる過敏反応が抑えられたことが報告されました。

◆メタボリックシンドローム+閉塞型睡眠時無呼吸のある24人をランダム化

研究班は、メタボリックシンドロームがあり、かつ閉塞型睡眠時無呼吸がある対象者24人を、低カロリー食と運動訓練の治療を行うグループと、何も介入しないグループにランダムに分け、4か月での変化を比べました。

 

◆無呼吸症状減少とともに過敏反応が改善

次の結果が得られました。

低カロリー食と運動訓練によって最高酸素摂取量は増加し、体重、腹囲、血糖値、収縮期/拡張期血圧、無呼吸低呼吸指数は減少した(34±5.1回/h vs 18±3.2回/h、P=0.04)。

低カロリー食と運動訓練のグループでは、体重減少などとともに、睡眠時に無呼吸や低呼吸が起こる回数が少なくなっていました

また、空気よりも酸素を少なくした気体を吸入したとき、空気よりも二酸化炭素を多くした気体を吸入したときなどに現れる神経・換気量の過敏反応が弱くなっていました

 

睡眠時無呼吸症候群は高血圧やうつなどの症状を起こすとも言われています。これらの症状に関わる変化が解明されれば、より効果的な治療法のヒントになるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Diet and exercise improve chemoreflex sensitivity in patients with metabolic syndrome and obstructive sleep apnea.

Obesity (Silver Spring). 2015 Jul 6 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26148219]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る