2016.01.27 | ニュース

肌の色がまだらになる「白斑」の症状は、どんな病気と関係しているか

1,873人の集計から

from Journal of the American Academy of Dermatology

肌の色がまだらになる「白斑」の症状は、どんな病気と関係しているかの写真

皮膚の色が一部だけ白く抜ける白斑という症状は、原因不明の場合も多いですが、薬品によって起こる場合などのほか、一部は免疫の異常が関係していると言われています。免疫の異常によるほかの病気が同時に起こる頻度について調査が行われました。

◆デトロイトの白斑患者のデータから

免疫の異常により、自分自身の体が攻撃されてしまうことで起こる病気を自己免疫疾患と言います。自己免疫疾患は、複数のものが同時に起こる場合が多いと言われています。

研究班は、アメリカのデトロイトにある施設の診療データから、白斑があった患者1,873人の診断を集計し、自己免疫疾患の頻度を調べました。

 

◆甲状腺の病気などが多い

白斑がある人の中では、甲状腺の病気が12.9%の人に診断されていたほか、以下の病気がアメリカ合衆国全体での頻度に比べて多くなっていました。

  • 円形脱毛症
  • 炎症性腸疾患
  • 悪性貧血
  • 全身性エリテマトーデス
  • ギラン・バレー症候群
  • 円板状エリテマトーデス
  • 線状斑状強皮症
  • 重症筋無力症
  • シェーグレン症候群

 

甲状腺の自己免疫疾患として、女性に多く、甲状腺ホルモンが少なくなることによりむくみや皮膚の乾燥を起こす橋本病が知られています。ほかに深刻な状態を引き起こしたり、死因にもなる病気との関連も指摘されました。

白斑を手掛かりに、こうした重要な病気を診断するために、このデータが参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Comorbid autoimmune diseases in patients with vitiligo: A cross-sectional study.

J Am Acad Dermatol. 2016 Feb.

[PMID: 26518171]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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