2016.01.23 | ニュース

脳卒中後のバランス機能を改善するためには?

課題指向型トレーニングの効果を検証

from Journal of physical therapy science

脳卒中後のバランス機能を改善するためには?の写真

脳卒中になると、手足が麻痺し、立ったり歩いたりする時にバランスをとることが難しくなることがあります。この研究は、脳卒中患者に課題指向型トレーニングというトレーニングを行った際に、バランスや、日常生活の動作が改善するか検討しました。

◆課題指向型トレーニングとは?

 課題指向型トレーニングとは、リハビリの分野で用いられるトレーニング方法です。実生活で行われる動作に近い動作を練習し、段階的に課題を変えていく方法です。たとえば、手足の麻痺により、トイレに行くことが難しい患者さんに対して、ベッドの上で筋力トレーニングをするだけでなく、実際にトイレや椅子での立ち座りを練習することで、動作の獲得を目指します。

 

◆課題指向型トレーニングの効果は?

この研究は、20人の脳卒中患者を、課題指向型トレーニングを行う群と、伝統的なリハビリを行う群(コントロール群)の2つに分けて実施しました。トレーニングの前と、トレーニングの4週間後に、バランス能力や、日常生活の動作、患者の自己効力感を調査しました。

 

◆課題指向型トレーニングを行うと、バランス能力が向上する?

結果は、以下の通りでした。

暴露群の評価前後の結果の比較分析では、BBS、MBI、SESの得点が統計的有意に相違があった。また、グループ間のBBS、MBI、SESの得点においても有意に相違がみられた。

課題指向型トレーニング後は、バランス能力や、日常生活の動作、患者の自己効力感が向上し、伝統的なリハビリを行った群よりも向上する結果となりました。

 

課題指向型トレーニングの他にも、リハビリには様々な種類のトレーニングがあります。今回の結果を踏まえ、脳卒中患者のバランス能力を改善するには、どのようなトレーニングが良いのか、考えることができるかもしれません。

執筆者

com

参考文献

The effects of patient-centered task-oriented training on balance activities of daily living and self-efficacy following stroke.

J Phys Ther Sci. 2015 Sep.

[PMID: 26504340]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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