パートナーが前立腺の手術、合併症はあると思いますか?
前立腺がんなどで、前立腺を取り除く手術を受けると、周りの組織を傷付けることにより、尿失禁や勃起不全の症状が現れることがあります。こうした手術による問題(合併症)を、実際に手術を受ける人や、そのパートナーはあらかじめ理解しているでしょうか。
◆セミナーとアンケートで調査
この研究は、根治的
実際に2.5時間のセミナーを受け、セミナー終了時のアンケートに答えた323のカップルの回答が集計されました。
◆患者本人とパートナーで回答にずれ
次の結果が得られました。
ほとんどの患者とそのパートナーが(患者のうち84%、パートナーのうち90%が)いくらかの尿失禁があると予期し、膀胱のコントロールを取り戻すためのリハビリテーション戦略を理解した。患者の84%、パートナーの78%が、術後の性生活に変化があると予期し、患者の73%、パートナーの65%が、手術によって勃起に悪影響があると予期した。
セミナーを受けた結果、手術後に性生活に変化があると予期した割合は、患者本人では84%でしたが、パートナーでは78%と、若干の違いがありました。
前立腺がんの治療にはいくつかの方法があるほか、ある場合には治療する必要がないと判断されることもあります。期待できる効果と合併症を理解したうえで納得できる治療法を選べるように、こうしたセミナーやその都度の相談を通じて、患者本人はもちろん、パートナーも十分な説明を聞けるようにする工夫がなされています。今後もこうした観点がますます重視されるようになるかもしれません。
執筆者
Preparing Patients and Partners for Recovery From the Side Effects of Prostate Cancer Surgery: A Group Approach.
Urology. 2015 Nov 2. [Epub ahead of print]
[PMID: 26541826]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。