2016.01.13 | ニュース

抗HIV薬を「オンデマンド」で

HIV感染リスクを減らせるか414人を対象に検証
from The New England journal of medicine
抗HIV薬を「オンデマンド」での写真
(C) roobcio - Fotolia.com

HIV感染によるエイズは、抗レトロウイルス薬(ARV)の多剤併用療法により「不治の病」ではなくなりましたが、未だにワクチンがありません。ARVを性交渉の前後に服用することでHIV-1感染リスクを減らせるかどうか、フランスの研究チームが検証しました。

◆414人の肛門性交を行う男性が対象

研究チームは、肛門性交を行う男性414人をランダムに2群に分け、性交渉前後に一方はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)とエムトリシタビン(FTC)の合剤(TDF-FTC)を服用してもらい、もう一方はプラセボを服用してもらいHIV感染率を比較しました。

 

◆HIV感染予防の効果を確認

TDF-FTCを使った群でHIV-1 感染リスクが86%低下したことが確認できました。対象者に何かしら深刻な症状や疾患、検査値異常などが発生したかどうかの率には差がありませんでしたが、TDF-FTC を服用した人では胃腸障害や腎臓障害がより高い率で現れました。

 

米国食品医薬品局(FDA)はTDF-FTCを予防目的で使うことをすでに承認していますが、本当にどの程度効果があるのか、またこの論文のように「オンデマンド」使用でも効果があるのか、についてははっきりしていませんでした。

この研究は感染リスクが90%近く低下する、としており、画期的な結果です。

 

日本でHIV感染の患者さんは毎年1,000人以上が新たに見つかり、先進国では例外的に数が増え続けています。「薬を必ず服用する」、「必ずコンドームを使う」という予防法が確実に実行されるようになれば、これ以上の拡大を食い止められる可能性があります。

参考文献

On-Demand Preexposure Prophylaxis in Men at High Risk for HIV-1 Infection

N Engl J Med. 2015 Dec 3

 

[PMID: 26624850] http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26624850

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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