HIVの感染予防は実現できるか?Ad/Envワクチンの効果を検証

後天性免疫不全症候群(AIDS)を起こすHIVの感染を防ぐ方法は長年検討されていますが、いまだ確実な予防法は見つかっていません。アメリカなどの研究班が、新たに開発されたワクチンを使って動物実験を行い、アカゲザルの感染を抑える効果が得られたことを報告しました。
◆Ad/Envワクチンをアカゲザルに接種
研究班は、
アカゲザルをワクチンを接種するグループと接種しないグループに分け、アカゲザルの直腸に、ワクチンに使われたSIVとは違う型のSIVを繰り返し触れさせることで、感染が防がれるかどうかを調べました。
◆50%の感染を防止
実験の結果、ワクチンを接種しなかったアカゲザルはすべてがSIVに感染しましたが、ワクチンを接種したアカゲザルの50%は感染しませんでした。
また、SIVの遺伝子組み換えによって人工的にHIV由来のEnvを作らせるようにしたSHIVというウイルスを使い、同様にしてアカゲザルにSHIVを感染させる実験をしたところ、やはりワクチンを接種したアカゲザルがSHIVに感染しにくくなる効果が見られました。
研究班は「これらのデータは、Ad/Envワクチンがアカゲザルにおいて中和
AIDSは
執筆者
Protective efficacy of adenovirus-protein vaccines against SIV challenges in rhesus monkeys.
Science. 2015 Jul 2 [Epub ahead of print]
[PMID: 26138104]
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