HIV感染を防ぐジェル
HIV感染は主に性行為によって広がり、直腸が感染の場となることもしばしばあります。全世界で問題となっているAIDS(後天性免疫不全症候群)の対策のため、直腸に抗ウイルス薬の入ったジェルを塗ることで感染を防止する方法が開発されました。サルを使った実験から、ウイルス感染が有効に防がれる結果が得られました。
◆アカゲザルの直腸にジェルを塗り、ウイルスに触れさせる
研究班は、
また、ジェルを塗った直腸に、HIVに似せた人工のウイルスであるSHIVを繰り返し触れさせることで、感染を防ぐ効果があるかどうかを調べました。
◆直腸に残り、感染を防ぐ
実験から次の結果が得られました。
マラビロクとテノホビルは、ジェルを塗ってから30分後には血漿の中に検出され、24時間後にも直腸分泌液の中でIC95以上の水準に保たれていた。
3種類のジェル製剤すべてが高い保護作用を示した(有効率82%、log-rank検定でP≦0.02)。
マラビロクもテノホビルも、ジェルを塗って30分後には血液中に検出され、直腸の表面でも24時間後まで十分高い濃度に保たれていました。また、感染を防ぐ有効率は82%でした。
研究班は、「このアカゲザルのモデルにおける望ましい薬物動態と高い有効性は、これらのジェル製剤を直腸からのHIV感染予防のために臨床開発することを支持する」と結論しています。
AIDSは
執筆者
Protection against rectal SHIV transmission in macaques by rectal specific-gel formulations of maraviroc andtenofovir.
J Infect Dis. 2015 Jun 12 [Epub ahead of print]
[PMID: 26071566]
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