◆外陰部症状と骨盤機能の関連性は?
閉経後には、ホルモンバランスの変化などにより、外陰部周辺に乾燥や痒みなどの症状が見られると言われています。一方、女性高齢者では、骨盤の機能が低下し、尿失禁や便失禁といった症状が見られることもあります。
今回の研究では、閉経後の女性358人を対象に、外陰部の症状と便失禁との関連性を検証しました。
◆外陰部症状は便失禁と関連
以下の結果が得られました。
膣外陰部症状は、骨盤臓器脱(p=0.001)、便失禁(p=0.001)、頻尿(p=0.02)、切迫性尿失禁(p=0.001)、排尿障害(p<0.001)を含む、特異的な骨盤底障害の併存発症の増加と関連していた。
膣外陰部症状と便失禁などの骨盤の機能低下が関連しているという結果でした。外陰部症状でもっとも多く見られた症状は、乾燥でした。
閉経後の外陰部症状は、ホルモンバランスだけではなく、排尿・排便障害による不衛生なども関連しているのかもしれません。閉経後の女性にとって、非常に悩ましい問題のひとつです。症状を抑える治療法の確立が望まれます。
執筆者
Vulvovaginal symptoms prevalence in postmenopausal women and relationship to other menopausal symptoms and pelvic floor disorders.
Menopause. 2015 Dec 7
[PMID: 26645820]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。