2015.12.27 | ニュース

インフルエンザにアセトアミノフェンでは熱も下がらない

18歳から65歳を対象に分析

from Respirology (Carlton, Vic.)

インフルエンザにアセトアミノフェンでは熱も下がらない の写真

インフルエンザでは高熱を発症することはよく知られています。今回の研究では、解熱剤として知られているアセトアミノフェンが、インフルエンザの解熱に有効であるか検証しました。

◆インフルエンザにアセトアミノフェンは有効か?

今回の研究では、インフルエンザ患者46人を対象に、偽薬を服用する群とアセトアミノフェンを服用する群に分け、その効果を比較しました。

 

◆アセトアミノフェンに症状改善の効果は見られない

以下の結果が得られました。

すべての対象者で、症状スコア、体温、体調不良から回復する時間、健康ステータスについて差は見られなかった。

インフルエンザの症状に対してアセトアミノフェンの効果は見られず、熱を下げる効果もなかったという結果でした。

 

つらい発熱と体力の消耗を抑えるために、解熱剤を飲むことはよくあると思います。中でもアセトアミノフェンは市販薬にも使われ、非常に多く出回っています。特に小児では、同じ解熱剤でもアスピリンなどは脳症のリスクを増やす可能性が報告されているため、アセトアミノフェンが優先される現状もあります。

しかし、この報告によればインフルエンザでは効果が薄い可能性も今後考えていく必要がありそうです。この研究は成人を対象にしたものですが、子どもについても将来検証されれば、つらくても解熱剤を使わないという選択肢が出てくるのかもしれません。

現時点で、発熱にどの薬が良いかは医師に相談し、そのときどきの状況に合ったものを処方してもらってください。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Randomized controlled trial of the effect of regular paracetamol on influenza infection.

Respirology. 2015 Dec 6

[PMID: 26638130]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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