2015.12.31 | ニュース

麻疹(はしか)排除へ、2000年から2014年の間に世界で死亡数8割減

世界の統計から
from MMWR. Morbidity and mortality weekly report
麻疹(はしか)排除へ、2000年から2014年の間に世界で死亡数8割減の写真
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2015年3月、WHOは日本が麻疹(はしか)の土着ウイルスがいない「排除状態」にあると認定しました。世界では麻疹の流行はどの程度続いているのでしょうか。

◆世界の麻疹の発症数・死亡数

ここで紹介する報告は、WHOとアメリカ疾病管理予防センターの研究班が、世界各国の麻疹発症数、麻疹による死亡数の報告をまとめたものです。

 

◆死亡数は79%減

統計から次の結果が得られました。

この期間に、年間に報告される麻疹の新規発症は全世界で73%減少し、人口100万人あたり146例から40例となり、年間の推定死亡数は79%減少し、546,800人から114,900人となった。

麻疹ワクチンがまったくない想定に比べると、2000年から2014年の間に、麻疹ワクチンは推定1,710万人の死亡を防いだ。

2000年と比べて、2014年には全世界で麻疹の新規発症は73%、麻疹による死亡は79%減少したと見積もられました。この間に、麻疹ワクチンによって1,710万人の死亡が防がれたと推定されました。

 

ワクチンが麻疹を予防する効果は、このように世界で無数の人々を救ってきた実績によっても示されています。日本では2007年から2008年にかけて麻疹の大流行があり、以後ワクチン接種が強化されたことにより、麻疹排除状態が達成されました。しかし、2015年にも海外由来のウイルスによる麻疹は発生しています。ワクチンが不要になる時代までには、まだ遠い道のりがあります。

麻疹はそれ自体が死因にもなるほか、まれに感染後何年も経ってから亜急性硬化性全脳炎というきわめて深刻な状態を引き起こすことがあります。悲惨な病気を防ぐために、予防接種の地道な取り組みが続けられています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Progress Toward Regional Measles Elimination - Worldwide, 2000-2014.

MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2015 Nov 13

[PMID: 26562349]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。