♦膝の痛みに対する超音波療法の有効性を検証
超音波療法とは、超音波が出る治療器を皮膚の上から当てて行う治療のことで、痛みなく治療することができます。
この研究は、変形性膝関節症患者を対象とした過去の研究から、超音波療法と偽の刺激、もしくは治療していない群を比較したものを抽出し、その結果を検証しました。
♦変形性膝関節症の治療には超音波療法が良い?
結果は以下の通りでした。
10のランダム化比較試験(患者645人)が包含基準に合致した。超音波療法は痛みに対しポジティブな効果を示した(標準化平均差(SMD)= -0.93, 95%信頼区間= -1.22から-0.64, p < 0.01, 異質性のP値 = 0.12, I2 = 42%)。身体機能に関しても、超音波治療はWestern Ontario and McMaster Universities physical function score の点数を減少させた(SMD = -0.37, 95%信頼区間= -0.73から-0.01, p = 0.04, 異質性のP値 = 0.94, I2 = 0%)。安全性については、どの研究においても、有害事象はなかった。
変形性膝関節症の患者に超音波療法を行うと、膝の痛みや膝の機能が改善する結果となりました。
変形性膝関節症の治療は、この他にも運動療法や手術など様々な方法があります。超音波療法も治療のひとつとして知っておいても良いかもしれません。
執筆者
Effects of therapeutic ultrasound on pain, physical functions and safety outcomes in patients with knee osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis.
Clin Rehabil. 2015 Oct 8
[PMID: 26451008]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。