2015.12.05 | ニュース

食事療法のとおりに食べるとうつが少ない?

イラン3,846人の調査から
from European journal of nutrition
食事療法のとおりに食べるとうつが少ない?の写真
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DASH食は、健康のための食事療法のひとつで、果物や野菜、ナッツなどを多く食べる特徴があります。高血圧などに対して効果を期待されていますが、心の健康との関係についても調査が行われました。

◆DASH食とうつ・不安に関連はあるか?

研究班は、イランの3,846人の成人対象者に食事の聞き取り調査を行いました。得られた食事内容を、DASH食に当てはまるかどうか8項目の食品(果物、野菜、ナッツ・豆類、乳製品、穀物、甘い飲み物・お菓子、ナトリウム、肉)で評価し、当てはまりが悪い/中間/当てはまりが良いという3段階に分けました。あわせて精神の状態についても質問票を使って聞き取り、食事とうつや不安などの症状に関連が見られるかを調べました。

 

◆中間のグループでうつが少ない

次の結果が得られました。

最もDASH食の順守度が低かった群と比べて、中等度の順守度の群ではうつ症状のオッズがより低いことと関連が見られた(オッズ比0.73、95%信頼区間0.59-0.90、Ptrend=0.63)。

DASH食に当てはまりが悪いグループよりも、中間のグループでうつ症状が少なくなっていました。しかし、当てはまりが良いグループのほうがさらにうつ症状が少ないという一貫した傾向は確かめられませんでした。

 

DASH食にうつを予防する効果があったのか、うつ症状があると食事が偏るのかなど、いくつかの解釈が考えられ、この結果だけでは何が原因かは断定できません。しかし、うつ症状が少なかったグループの食事内容は、健康的な特徴と考えることができるかもしれません。

食事と精神の関係について、こうした研究が重ねられ、よりよい結果を目指して検討が続けられています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Adherence to the DASH diet in relation to psychological profile of Iranian adults.

Eur J Nutr. 2015 Oct 31 [Epub ahead of print]

[PMID: 26520851]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。