◆慢性腎臓病の発症とホモシステイン、ビタミンB6の関連性を検証
ホモシステインはアミノ酸の一種であり、過剰に体内に残ると酸化ストレスとなる物質です。また、ホモシステインを代謝するためには、ビタミンB6などの栄養素が必要であることが知られています。
今回の研究では、慢性腎臓病患者97人と健常者135人を対象に、慢性腎臓病の発症と血液中のホモシステイン、ビタミンB6の関連性を検証しました。
◆慢性腎臓病の人はホモシステイン値が高く、ビタミンB6値が低い
以下の結果が得られました。
ホモシステイン(オッズ比1.11、95%信頼区間1.02-1.22)、マロンジアルデヒド(オッズ比34.24、95%信頼区間4.44-264.40)が高い値であると、慢性腎臓病のリスクが増加する一方で、血漿PLP(オッズ比0.98、95%信頼区間0.97-0.99)、スーパーオキシドジスムターゼ活性(オッズ比0.82、95%信頼区間0.74-0.91)が高いと、すべての潜在的交絡因子で調整した後、慢性腎臓病のリスクは減少した。
ホモシステイン値が高く、ビタミンB6の値が低い人は慢性腎臓病を発症している確率が高いという結果でした。
今回の結果から因果関係を述べることはできませんが、もしホモシステインとビタミンB6が慢性腎臓病の原因に関わっているならば、慢性腎臓病の予防に有用な結果かもしれません。
執筆者
High homocysteine, low vitamin B-6, and increased oxidative stress are independently associated with the risk of chronic kidney disease.
Nutrition. 2015 Sep 25
[PMID: 26526964]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。