◆乾癬性関節炎へのセクキヌマブの効果を検証
今回の研究では、乾癬性関節炎の患者606人を次の3つの群にランダムに分け、効果を検証しました。
- セクキヌマブ150mgを注射する群
- セクキヌマブ75mgを注射する群
- プラセボ群
◆セクキヌマブで乾癬性関節炎がより改善
以下の結果が得られました。
24週時点でのACR20反応率は、用量150mg(50.0%)、75mg(50.5%)のセクキヌマブの治療を受けた群で、プラセボ群(17.3%)よりも有意により高かった(両群ともにプラセボとの比較でp<0.001)。
カンジダを含む感染症がセクキヌマブの群でより多かった。
セクキヌマブを用いた群では、用量が150mgと75mgのどちらでも、痛みや関節の腫れが改善したという結果でした。副作用としては、感染症の発症率が多く見られたほか、脳卒中や心筋梗塞の発症がプラセボ群では起こらなかったのに対して、セクキヌマブを用いた群には脳卒中が4人に、心筋梗塞が2人に起こりました。
乾癬性関節炎の治療薬として、有効である可能性は示されましたが、副作用なども考えると慎重に選択される必要があるかもしれません。なお、日本皮膚科学会ではセクキヌマブの使用に関して適切な方法を呼びかけています(下記リンク)。詳しくは医師にご相談ください。
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/news/20150304_1.pdf [リンク先PDF]
執筆者
Secukinumab Inhibition of Interleukin-17A in Patients with Psoriatic Arthritis.
N Engl J Med. 2015 Oct
[PMID: 26422723]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。