◆運動プログラムを行う群と健康に関する教育を行う群にランダムに振り分け
今回の研究では、座っている時間が多い70歳から89歳の高齢者1,635人を対象に、運動プログラムを行う群と対照群にランダムに分けました。
運動プログラム群は、ウォーキング、筋力トレーニングなど身体活動量を向上する中等度の運動プログラムを、対照群では健康に関するワークショップと上肢のストレッチを、それぞれ2年間行いました。
◆運動プログラムを行っても、健康教育と大差なし
以下の結果が得られました。
24ヶ月の時点で、DSC課題、HVLT-Rスコア(臨床現場、性別、ベースラインの値で調整したもの)は群間に差が見られなかった。その他のすべての認知機能または混合の指標でも、差は見られなかった。
運動プログラム群と健康に関する教育を行った群で、認知機能の改善効果について差はなかったという結果でした。
普段座っている時間が長い高齢者が、中等度の運動を2年間継続して行っても、認知機能に対する効果は健康に関する教育を行った場合と、差はないという結果でした。人によっては運動だけですべてを解決することはできず、認知機能に対するケアは別に考える必要があるのかもしれません。
今回の対象は、70歳以上と高齢者を対象にしていたため、より年齢が若い人にこの結果があてはまるわけではありません。また、運動は認知機能以外に対する効果もあるため、日頃から適切な運動を行うことは重要です。
執筆者
Effect of a 24-Month Physical Activity Intervention vs Health Education on Cognitive Outcomes in Sedentary Older Adults: The LIFE Randomized Trial.
JAMA. 2015 Aug 25
[PMID: 26305648]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。