不溶性食物繊維を取ると血圧が下がる?

過去の調査研究から、食物繊維の摂取量が多いと心臓や血管に関わる病気が少ないと言われています。ですが食物繊維の血圧に対する影響は不明でした。そこで著者らは食物繊維と血圧の相関関係を調査しました。
◆40歳から59歳までの2,195人の男女を調査
著者らは40歳から59歳までのアメリカ在住の2,195人の男女に関し、食物繊維の総量、また食物繊維の中でも不溶性食物繊維(水に溶けにくいもの)および水溶性食物繊維(水に溶けやすいもの)の摂取量と血圧について、横断的な
◆不溶性食物繊維が血圧低下と関連あり
著者らは以下の結果を得ました。
多変量調整後、食物繊維摂取の総量が6.8g/4184kJ(6.8 g/1000kcal) より多い人達は
収縮期血圧 の1.69 mmHg低下(95%信頼区間は-2.97から-0.41) と相関があり[...]一方可溶性食物繊維は血圧と相関が無かった。
著者らは、「結論として食物繊維、特に不溶性食物繊維の高摂取は、食物繊維の豊富な食品を多く摂取することと関連するほかの栄養素とは独立して、血圧低下に寄与するかもしれない」と述べています。
つまり食物繊維の中でも不溶性成分が、血圧低下と関連する可能性が示されました。可溶性食物繊維にはこのような相関関係は見られませんでした。
不溶性食物繊維は、大豆やいんげん豆、さつまいもやこんにゃく、ごぼう、タケノコ、トウモロコシ等に多く含まれます。腸の健康や食欲の抑制等に効果があると言われていますが、血圧との関係は間接的なのか直接的な作用なのか、今後の研究が待たれます。
執筆者
Total, insoluble and soluble dietary fibre intake in relation to blood pressure: the INTERMAP Study.
Br J Nutr. 2015 Sep 2:1-7.
[PMID: 26328746]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。