◆電気刺激を行う群と一般的な治療を行う群にランダムに振り分け
今回の研究は、脳梗塞を発症して6ヶ月から3年経っている患者24人を、電気刺激を行う群と一般的な治療を行う群にランダムに分けました。
電気刺激は、後脛骨神経に1週間に2回、6週間の刺激を行いました。一般的な治療は、月に1から3回、6週間、一般的なアドバイスやストレッチを行いました。
◆電気刺激を行うと、過活動膀胱の症状が改善
電気刺激を行った群では、尿意切迫の人数が治療前は11人であったのに対し、治療後は7人に減少していた一方、一般的な治療の群では治療前後ともに10人と変化がありませんでした。また、排尿回数では、電気刺激群で治療前が10人、治療後が3人であったのに対し、対照群では治療前後ともに11人と変化がありませんでした。
このように、脳卒中後の過活動膀胱に対して、後脛骨神経に電気刺激を行うことで、その症状が軽減したという結果でした。
脳卒中後の排尿関連の症状は、人によって深刻で、生活の質(QOL)を低下させる要因にもなり得ます。電気刺激が治療法のひとつとなりうるかどうかが考えられても良いかもしれません。
執筆者
Electrical stimulation of the posterior tibialis nerve improves symptoms of poststroke neurogenic overactive bladder in men: a randomized controlled trial.
Urology. 2014 Sep
[PMID: 25168524]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。