2015.10.19 | ニュース

感染を防いだ消毒薬はどっち?カテーテル留置による感染症を予防

2,546人のランダム化試験
from Lancet (London, England)
感染を防いだ消毒薬はどっち?カテーテル留置による感染症を予防の写真
(C) lenetsnikolai - Fotolia.com

消毒薬のクロルヘキシジンとポビドンヨードは、どちらも広く使われている代表的なものです。入院患者では血管に留置したカテーテルが重い感染症の原因になりやすく、皮膚の消毒にどちらを使うと予防効果が高いかが検討されました。

◆消毒薬の違いで比較

研究班は、カテーテル留置を含む治療を受けることになった18歳以上の患者を対象とし、カテーテル挿入の前に皮膚を消毒するときの消毒薬の効果を検討しました。

対象者をクロルヘキシジンで消毒するグループとポビドンヨードで消毒するグループにランダムに分け、カテーテルによる感染症が起こる頻度を調べました。

 

◆クロルヘキシジンのほうが感染症が少ない

次の結果が得られました。

クロルヘキシジン・アルコール溶液はカテーテル関連感染症の発生率がより低いことと関連した(ポビドンヨード・アルコール溶液と比べてカテーテル留置日1,000日あたり0.28 vs 1.77、ハザード比0.15、95%信頼区間0.05-0.41、P=0.0002)。

全身の有害事象は報告されなかったが、深刻な皮膚反応はクロルヘキシジン・アルコール溶液に割り付けられた対象者でより頻繁に発生し(ポビドンヨード・アルコール溶液と比べて27人[3%] vs 7人[1%]、P=0.0017)、2人の患者はクロルヘキシジンの使用中止に至った。

クロルヘキシジンを使ったグループで、カテーテルによる感染症はポビドンヨードを使ったグループの15%程度にまで少なくなりました。副作用として、クロルヘキシジンを使ったグループのほうが強い皮膚反応が多く見られました。一般にクロルヘキシジンはアナフィラキシーを起こしやすいと言われていますが、この研究ではアナフィラキシーなど全身の反応が起こった人はいませんでした。

 

カテーテルによる感染は命に関わる状態につながりやすく、感染症を効果的に防ぐことが特に重要と考えられます。この結果はクロルヘキシジンの高い効果を示しているかもしれませんが、皮膚反応が起こりやすいと疑われる結果もあり、場面に応じて適切な消毒薬を選ぶ参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Skin antisepsis with chlorhexidine-alcohol versus povidone iodine-alcohol, with and without skin scrubbing, for prevention of intravascular-catheter-related infection (CLEAN): an open-label, multicentre, randomised, controlled, two-by-two factorial trial.

Lancet. 2015 Sep 17 [Epub ahead of print]

[PMID: 26388532]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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