◆母親のインフルエンザワクチンの接種と子どもの先天性障害の関連を検証
今回の研究は、過去に報告された15の研究をまとめ、母親のインフルエンザワクチン接種と子どもの先天性障害を発症する危険性の関連を検証しました。
インフルエンザワクチンとして、3価または1価の不活性化ワクチンについて調べた研究を対象としました。
◆母親がインフルエンザワクチンを接種しても子どもの先天性障害には関係ない
以下の結果が得られました。
先天性障害とインフルエンザワクチンには、妊娠時期を区別しない場合(オッズ比0.96、95%信頼区間0.86-1.07、15の研究、I=36)または3ヶ月ごとに区切った場合の最初の3ヶ月間(オッズ比1.03、95%信頼区間0.91-1.18、8の研究、I=0)においても、関連性は認められなかった。
妊娠中の母親がインフルエンザワクチンを接種しても、生まれてくる子どもの先天異常の危険性と関連があるとは言えないという結果でした。
妊婦がインフルエンザにかかると、重症化することも考えられます。予防接種を受けることの効果と安全性はこの研究を含め多くの面から検討された結果があり、受けるかどうか決めるために参考にできるかもしれません。
執筆者
Maternal Influenza Vaccination and Risk for Congenital Malformations: A Systematic Review and Meta-analysis.
Obstet Gynecol. 2015 Oct 5
[PMID: 26444106]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。