2015.10.02 | ニュース

血圧管理に有効な圧反射活性化療法とは?

オランダの研究チームが295人を分析
from Hypertension
血圧管理に有効な圧反射活性化療法とは? の写真
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高血圧患者に対して、体内に機械を埋め込み血圧を管理する圧反射活性化療法というものがあります。今回の研究は、その刺激方法として、片側のみ刺激を行うのと両側刺激を行うのでは、どちらが有効か検証しました。

◆圧反射活性化療法で、片側刺激と両側刺激の有効性を検証

圧反射活性化療法とは、両側の頚動脈にある圧受容器と呼ばれる組織を電気で刺激する治療法です。圧受容器は血圧が高くなったときに血圧を下げる役割を担う部分で、この近くに機械を埋め込み、電気刺激を与えることで血圧の管理を行います。片側のみを刺激する方法と両側を刺激する方法があります。

今回の研究では、過去に圧反射活性化療法が行われた高血圧患者295人のなかで、片側を刺激した人と両側を刺激した人を比較することで、効果に違いがあったかを調べました。

 

◆機械で片側を刺激した人がより有効

以下の結果が得られました。

血圧と心拍数について、ベースラインでは2群間で差は見られなかったが、これらすべての変数は6ヶ月時点で、両側を刺激した群よりも片側を刺激した群で有意に低くなっていた。

血圧がより低下するのは、機械で片側を刺激した場合でした。最高血圧は、機械を片側で刺激した場合に平均32mmHg、両側を刺激した場合に平均23mmHg低下しました。最低血圧では、機械で片側を刺激した場合に平均14mmHg、両側を刺激した場合に10mmHg低下しました。

 

血圧の管理方法は主に薬の服用によるものが多いと思いますが、このように機械を埋め込み行う方法も研究されています。それぞれメリット・デメリットがあり、その検討がさらに治療を進歩させる手掛かりになるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Bilateral or unilateral stimulation for baroreflex activation therapy.

Hypertension. 2015 Jan

[PMID: 25331845]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。