◆朝食のカロリーを高く、夕食のカロリーを低くした食生活の効果を検証
今回の研究は、発症から10年以内の2型糖尿病患者18人を対象に行われました。対象者は、朝食のカロリーを高く、夕食のカロリーを低くした食生活と、朝食のカロリーを低く、夕食のカロリーを高くした食生活、のどちらの方法も実施しました。それぞれの食生活を実施した日程は間隔を空け、それぞれ7日間実施しました。
◆朝食のカロリーが高い方が血糖値の管理が行いやすい
以下の結果が得られました。
1日を通して、DダイエットよりもBダイエットで、グルコースのAUCは20%低くなった一方、インスリンのAUC、CペプチドのAUC、tGLP-1のAUCは20%高くなった。
食事のエネルギーは同等であったにも関わらず、昼食ではDダイエットよりもBダイエットで、よりグルコースが低くなり(21-25%)、インスリンが高くなった(23%)。
朝食のカロリーを高く、夕食のカロリーを低くした方が、その逆よりも、1日を通じての血糖値が低くなるという結果でした。また、昼食は同じカロリーでしたが、昼食後の血糖値も、朝食のカロリーが高い方がより良い値でした。
1日のなかで同じカロリーを摂取するのであれば、朝食でカロリーが高いものを摂った方が血糖値が低い範囲に保たれるという結果でした。どうしても食生活として夕食の方がカロリーを多くとってしまう人もいると思いますが、朝夕のバランスという観点も参考になるかもしれません。
執筆者
High-energy breakfast with low-energy dinner decreases overall daily hyperglycaemia in type 2 diabetic patients: a randomised clinical trial.
Diabetologia. 2015 May
[PMID: 25724569]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。