◆病前の便秘とパーキンソン病の関連性を検証
今回の研究では、2014年までに行われた9つの研究、対象者数計741,593人から得られたデータをまとめ、病前の便秘とパーキンソン病の関連性を検証しました。
病前の便秘は、医療記録から、便秘に関する記載または便秘の薬を服用していることによって判断しました。
◆病前の便秘によりパーキンソン病の危険性を2.27倍に
以下の結果が得られました。
便秘のある人は便秘のない人と比べて、続いてパーキンソン病が発症するプールオッズ比が2.27(95%信頼区間2.09-2.46)であった。
パーキンソン病に先行して10年以上前の便秘を評価した研究に限定して解析すると、プールオッズ比は2.13(95%信頼区間1.78-2.56、I2=0.0%)であった。
病前の便秘の有無とパーキンソン病の発症は関連しているという結果でした。その関連性は、パーキンソン病の発症から10年以上前の便秘でも見られました。
便秘がある人とパーキンソン病の発症の間には、その他にも様々な要因が関連していることが考えられます。しかし、便秘がパーキンソン病発症までの長期的な変化に関係しているとすれば、経過の予測に一役買う情報となるかもしれません。今後に期待します。
執筆者
Constipation preceding Parkinson's disease: a systematic review and meta-analysis.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015 Sep 7
[PMID: 26345189]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。