2015.09.16 | ニュース

ADHDの治療に抗うつ薬は有効か?6歳から18歳での三環系抗うつ薬使用について

6件216人のメタアナリシス
from The Cochrane database of systematic reviews
ADHDの治療に抗うつ薬は有効か?6歳から18歳での三環系抗うつ薬使用についての写真
(C) Tony Northrup - Fotolia.com

注意欠如・多動性障害(ADHD)には有効な治療薬がありますが、人によって効果が十分でない場合もあります。ほかの治療として使った報告のある三環系抗うつ薬の効果について、これまでの研究結果がまとめられました。

◆6歳から18歳が対象

研究班は、これまでの研究を検索し、6歳から18歳のADHD患者に対して、三環系抗うつ薬がADHDの多動性・衝動性・不注意の症状を抑える効果を調べたものを集め、結果を統合して解析しました。

 

◆症状の改善あり、血圧・心拍数上昇も

次の結果が得られました。

計216人の参加者を対象とする6件のRCTを採用した。

三環系抗うつ薬は、あらかじめ定義されたADHD中核症状の重症度の改善を達成した患者の割合について、偽薬より優れていた(オッズ比18.50、95%信頼区間6.29-54.39、3件の試験、計125人の参加者について、低い質のエビデンス)。

このコクランレビューは三環系抗うつ薬を使用した患者に深刻な有害事象を同定しなかったが、拡張期血圧の心拍数の軽度上昇を認めた。また、デシプラミンで治療された患者は偽薬に比べて食欲減退の率が有意に高く、対してノルトリプチリンは体重増加をもたらした。ほかに報告された有害事象には、頭痛、混乱、鎮静、疲労感、霧視、発汗、口渇、腹部不快感、便秘、尿閉があった。

見つかった6件の研究から、デシプラミン、ノルトリプチリンなどの三環系抗うつ薬がADHDの症状を抑える効果が見られました。副作用の可能性があることとして、拡張期血圧と心拍数の軽度の上昇などが見られましたが、深刻な副作用は見られませんでした。

研究班は、「この結果から、デシプラミンが短期的にはADHDの中核症状を改善することが示唆されるが、デシプラミンの心血管系に対する影響は重要な臨床的関心であり続ける」と述べています。

 

ADHDによる症状など総合的な状態は患者によって少しずつ異なり、治療選択も状態に合わせて変えることで良い結果が得られる可能性があります。ここで示された結果も、ひとつの参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Tricyclic antidepressants for attention deficit hyperactivity disorder (ADHD) in children and adolescents.

Cochrane Database Syst Rev. 2014 Sep 19

[PMID: 25238582]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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