◆低リスク前立腺がんが見つかった男性を追跡
研究班は、前立腺がんと診断され、リスクが低いと見られた男性を対象として、その後の経過を追跡し、必要に応じて治療を行い、死亡などの頻度を調べました。
◆15年で99.9%
1,298人の男性が対象となり、半数が66歳以上でした。
経過について次の結果が得られました。
全生存率は10年で93%、15年で69%であり、がん特異的生存率は10年で99.9%、15年で99.9%であり、転移のない生存率は10年で99.4%、15年で99.4%だった。
無治療生存期間の中央値は8.5年(範囲0.01年から18年)だった。
全体で、追跡開始から10年間の生存率は93%、15年間では69%でした。15年間に前立腺がんが死因で死亡した人は0.1%でした。半数の人は前立腺がんの治療をしないまま8.5年以上生存していました。
これらの結果から、研究班は「低リスクの前立腺がん患者は、その診断から悪い結果が起こる可能性の小ささを知らされるべきであり、治療介入よりも監視を検討するよう勧められるべきである」と結論しています。
この研究は特にリスクが低いと見られた人だけを対象にしているため、より進行して見つかった人などでは違った結果が出る可能性があります。とはいえ、前立腺がんの危険性について参考になる情報かもしれません。
執筆者
Intermediate and Longer-Term Outcomes From a Prospective Active-Surveillance Program for Favorable-Risk Prostate Cancer.
J Clin Oncol. 2015 Aug 31 [Epub ahead of print]
[PMID: 26324359]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。