2015.08.26 | ニュース

気管支拡張症の治療で悪循環を断ち切れるか?抗生物質長期使用の効果

メタアナリシスで検証
from The Cochrane database of systematic reviews
気管支拡張症の治療で悪循環を断ち切れるか?抗生物質長期使用の効果の写真
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正常な気管支には、異物を物理的に排除する機能がありますが、気管支拡張症ではその機能が弱くなります。気管支拡張症に対する抗菌薬の長期使用の効果について、これまでの研究をまとめた結果が報告されました。

◆4週間以上の抗菌薬の効果

研究班は、過去の研究を検索して、気管支拡張症に対して4週間以上抗菌薬を使う効果を調べたものを集め、内容を検証して統合しました。

慢性炎症などによって起こる気管支拡張症で、気管支が異物を排除する機能が失われると、感染に弱くなり、さらに炎症が進む悪循環が生まれます。抗菌薬は感染を予防し、気管支拡張症にも良い効果があると予想されますが、薬剤耐性菌が生まれる可能性も考えられます。

薬剤耐性菌とは、特定の抗菌薬が効かなくなった細菌のことで、普通の細菌の中からまれに生まれ、抗菌薬を長期間使い続けることで選び出されて増殖すると考えられています。

 

◆効果あり、薬剤耐性の懸念

効果について次の結果が得られました。

[...]メタアナリシスにより、中等度の質のエビデンスに基づいて、イベントは介入群で1,000人中271人に発生し(95%信頼区間126-385)、対照集団では1,000人中546人に発生したことで、介入を支持する有意な効果が示された(オッズ比0.31、95%信頼区間0.19-0.52、P<0.00001)。

抗菌薬の長期使用によって、気管支拡張症の悪化を抑える効果があると見られました。

薬剤耐性菌については次の結果が得られました。

薬剤耐性は、偽薬または標準治療を受けた参加者211人中10人と比べて、抗菌薬を使っていた参加者220人中36人に発生し(オッズ比3.48、95%信頼区間1.20-10.07、P=0.02)、自然頻度に置き換えると介入群の1,000人中155人(95%信頼区間59-346)、対照群1,000人中50人になると見られた。介入はよく忍容され、治療群と偽薬群で全体として治療中止に有意差はなかった(オッズ比0.91、95%信頼区間0.56-1.49)。下痢が有害事象として頻繁に、特に経口介入に対して報告された。

抗菌薬を使ったときに、使わない場合よりも薬剤耐性菌が現れることが多くなっていました

 

薬剤耐性菌の心配があるとはいえ、効果が見られたという結果です。こうした研究により、良い面と悪い面を考え合わせたうえで、治療上の位置付けがはっきりしてくるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Prolonged antibiotics for non-cystic fibrosis bronchiectasis in children and adults.

Cochrane Database Syst Rev. 2015 Aug 13 [Epub ahead of print]

[PMID: 26270620]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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