2015.08.17 | ニュース

かゆみを抑える新たな手法、経頭蓋直流電気刺激

ランダム化比較試験により検証

from Clinical neurophysiology : official journal of the International Federation of Clinical Neurophysiology

かゆみを抑える新たな手法、経頭蓋直流電気刺激 の写真

かゆみがあるところ引っ掻いてしまい、かゆみが悪化したり皮膚を傷つけたりしてしまうことがありませんか?かゆみを抑えるための研究として、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いた脳刺激により、かゆみが改善することが報告されました。

◆tDCSを頭の両側に実施しかゆみへの効果を検証

tDCSは、脳を頭蓋骨の外から刺激する手法です。陽極を置いた下の脳活動は促進され、陰極を置いた下の脳活動は抑制されると言われています。

今回の研究は、tDCSを用いて以下の通りに行われました。

健康な人を対象に左前腕背部にヒスタミンアレルギー症状の原因となる物質の一つ。炎症により血液中のヒスタミンが増加して、かゆみなどを引き起こす誘発のかゆみを起こし、23分間、30秒ごとに主観的なかゆみの感覚を報告してもらった。

tDCSは、かゆみ刺激を与えている間、感覚運動野(SMC)に対して両側半球刺激プロトコルに沿って実施した。

片方の電極は右側のSMCに、もう一方は左側のSMCに設置した。

かゆみのピークと持続する感覚を、R-A/L-C(右側に陽極、左側に陰極)、L-A/R-C(左側に陽極、右側に陰極)、偽刺激で比較した。

左腕に薬でかゆみを起こし、そのうえtDCSを行うことにより、かゆみ刺激に対するtDCSの効果について、検証しました。かゆみの指標は、かゆみのピークと持続する感覚を評価しました。

 

◆tDCSによってかゆみは軽減

調査の結果、以下のことを報告しました。

かゆみ感覚のピークと持続性はR-A/L-C介入で偽刺激よりも有意データを分析して導かれた結果が、偶然として説明できる確率は低いとみなされることに抑制された。

頭の右側に陽極、左側に陰極を置いた条件では、偽刺激よりもかゆみのピーク、持続がともに抑制されました。

筆者らは、「これらの結果は、両側大脳半球へのtDCS介入が、特に対側のSMCに陽極を設置した条件では、持続するかゆみ感覚をやわらげるために有用な手法である可能性があることを示唆する。」と述べています。

 

これまでもtDCSの運動効果を中心に紹介してきましたが、今回の研究は感覚に対する介入でした。tDCSの感覚機能への効果はまだ検証されていない部分が多く残っていますので、今後の検証に期待がかかります。

執筆者

Shuhei Fujimoto


参考文献

A transcranial direct current stimulation over the sensorimotor cortex modulates the itch sensation induced by histamine.

Clin Neurophysiol. 2015 Jul 9

[PMID: 26190177]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]