2015.08.15 | ニュース

コレステロールが多くビタミンC、食物繊維が少ない食生活に、脂肪肝との関係あり

イタリアの研究チームが横断研究により検証

from Hepatology (Baltimore, Md.)

コレステロールが多くビタミンC、食物繊維が少ない食生活に、脂肪肝との関係あり の写真

脂肪肝は食生活と関連することはご存知の方も多いと思います。食生活による脂肪肝発症の可能性について、『NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』にも引用されている2003年の論文を紹介します。

◆NASH患者と健康な人の食生活を比較

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)は、脂肪肝の一種で、肝臓内の脂肪に炎症があり、進行すると肝硬変に至って命に関わる可能性がある病気です。

今回の研究は、以下の方法で行われました。

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者25名と年齢、体格指数、性別をそろえた健康な対照群25名について、食習慣とインスリン感受性、食後の中性脂肪代謝の関係を評価した。

NASH患者と健康な人の食生活の違いを、7日間の栄養記録から比較検証しました。

 

◆NASH患者の食生活にはコレステロール摂取が多く、食物繊維、ビタミンの摂取が少ない

調査の結果、以下のことを報告しました。

NASH患者の食事摂取は、飽和脂肪酸(摂取総エネルギー量に対して13.7%±3.1% vs 10.0%±2.1%、p=.0001)、コレステロール(506±108mg/日 vs 405±111mg/日、p=.002)がより多く、多価不飽和脂肪酸(全脂肪に対して10.0%±3.5% vs 14.5%±4.0%、p=.0001)、食物繊維(12.9±4.1g/日 vs 23.2±7.8g/日、p=.000)、抗酸化ビタミンC(84.3±43.1mg/日 vs 144.2±63.1mg/日、p=.0001)、ビタミンE(5.4±1.9mg/日 vs 8.7±2.9mg/日、p=.0001)がより少なかった。

NASH患者では、健康な人と比べて、飽和脂肪酸、コレステロールの摂取量が多く、多価不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミンC、ビタミンEの摂取が少ないという結果でした。

 

今回紹介した論文は、脂肪肝のなかでも非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の患者の食生活は、コレステロール摂取が多く、食物繊維やビタミン摂取が少ないというものでした。今後、この『NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』で引用されている、治療や検査の論文を紹介します。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Dietary habits and their relations to insulin resistance and postprandial lipemia in nonalcoholic steatohepatitis.

Hepatology. 2003 Apr

[PMID: 12668986]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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