◆ラットの治療法を比較
研究班は、変形性膝関節症のラットに運動トレーニングか低レベルレーザー治療、またはその両方を行い、治療効果を比較しました。
◆どの治療でも改善あり
次の結果が得られました。
すべての治療群が(レーザー照射を受けた群も、そうでない群も)組織形成のより良いパターンを示し、関節面のフィブリル化と不整はより少なく、OARSIスコアで評価される変性の進行は少なく、厚みの値はより大きくなった。
運動トレーニングを行ったラットでも、低レベルレーザー治療を行ったラットでも、膝関節を観察して見られたダメージが少なくなっていました。
研究班は、「これらの結果は、運動トレーニングと低レベルレーザー治療が、軟骨変性を防ぎ、変形性膝関節症によって誘導された炎症プロセスを調整することに有効だったことを示唆する」と結論しています。
変形性膝関節症に対してはさまざまな治療法が研究されつつあります。この研究で得られた結果が人間にも当てはまるかどうか、また実際の治療として痛みや運動機能にどの程度の効果が期待できるかはわかりませんが、より確かな結果を示すことができれば、新しい治療法の候補に加わっていけるかもしれません。
執筆者
Aerobic exercise training and low-level laser therapy modulate inflammatory response and degenerative process in an experimental model of knee osteoarthritis in rats.
Osteoarthritis Cartilage. 2015 Aug 4 [Epub ahead of print]
[PMID: 26254236]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。