2015.08.30 | ニュース

変形性膝関節症の痛みにはツボにレーザーをあてるとよい?

49人のランダム化二重盲検プラセボ比較試験
from Physiotherapy
変形性膝関節症の痛みにはツボにレーザーをあてるとよい?の写真
(C) lucia_lucci - Fotolia.com

変形性膝関節症は、加齢などにより、膝が変形し痛みが出る疾患です。今回、変形性膝関節症患者に対し膝のツボに低出力レーザーを行うと、行わないより膝の痛みが改善しました。

◆低出力レーザーとは?

低出力レーザーは薬や手術を行わずに、安全に治療が行える方法です。変形性膝関節症の痛みの改善には膝のツボに鍼治療を行う方法も研究されています。筆者らは、低出力レーザーをツボに当てることで、痛みなく治療できる可能性を考え、検証しました。

 

◆変形性膝関節症患者49名を対象に調査

この研究は、変形性膝関節症の患者49名を対象とし、低出力レーザーを施行する群26名と、偽の刺激を行う群23名にわけました。9回のセッションに分けて膝のツボ5箇所にレーザーを施行し、痛みの程度を評価しました。

 

◆膝のツボにレーザーを行うと痛みが改善する

レーザー治療を行った群と偽の刺激を行った群での膝の痛みの結果は以下の通りでした。

独立サンプルの検定で、プラセボレーザー治療群と比較し、レーザー治療群では、治療後6週間で有意に痛みのVASスコアが改善し(平均差-1.3、95%信頼区間-2.4から-0.3;P=0.014)、治療後6か月でも有意に痛みが改善していた(平均差-1.8、95%信頼区間-3.0から-0.7;P=0.003)。

レーザー治療群では、偽の刺激を行った群と比べて、膝の痛みが改善していたことがわかりました。

変形性膝関節症患者にとって膝の痛みは、生活の質を下げる原因にもなります。膝のツボに対する低出力レーザー治療の効果と安全性が確かになれば、痛みを減らす治療手段に加わるかもしれません。

執筆者

com

参考文献

Efficacy of low-level laser therapy applied at acupuncture points in knee osteoarthritis: a randomised double-blind comparative trial.

Physiotherapy. 2014 Sep

[PMID: 24418801]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。