◆発作中の脳波-fMRI同時計測
この研究では、側頭葉てんかんがあり、側頭葉切除という手術が予定されている患者30人が対象となりました。
研究班は、MRIを応用して脳の活動を調べる画像検査「fMRI」と脳波を同時に計測する方法で、対象者がてんかん発作を起こしているときの脳の状態を調べ、手術後の結果と比較しました。
◆BOLDシグナルの変化
画像上に見られた、手術する場所に一致する「BOLDシグナル」という特徴によって、患者を「適合群」と「不適合群」に分けたところ、次の結果が得られました。
手術後に良好な帰結を得た患者の割合は、適合群(16人中13人、81%)で不適合群(14人中3人、21%)よりも多く(Yates補正χ2検定でP=0.003)、多変量解析から適合群のBOLDシグナルの所見は良好な手術後の帰結と独立に関連する(P=0.007)ことが示された。EEG-fMRIの結果によって良好な手術後の帰結を得る患者を同定する感度は81%、特異度は79%[...]だった。
手術の結果が良好だった患者は適合群の16人中13人、不適合群の14人中3人と、適合群で多くなっていました。
手術の効果を正確に予測するポイントが見つかれば、治療選択の参考にしたり、病態の解明に役立てることができるかもしれません。この研究の対象者以外にも正確な予測ができるかどうか、期待がかかります。
執筆者
EEG-fMRI in the presurgical evaluation of temporal lobe epilepsy.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015 Jul 27 [Epub ahead of print]
[PMID: 26216941]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。