2015.08.02 | ニュース

胃の中で膨らむバルーン、肥満治療に

スペイン60人の治療例
from Obesity surgery
胃の中で膨らむバルーン、肥満治療にの写真
(C) Gelpi - Fotolia.com

重度の肥満の治療に、胃の中でバルーン(風船)を膨らませて置いておき、食べ物が入る量を少なくする方法が開発されています。スペインで実際の患者を治療したところ、平均16kg以上減量する効果が得られました。

◆60人を6か月以上治療

この研究では、2個のバルーンを組み合わせて胃の形に合うようにする「デュアル胃内バルーン」の効果が調べられました。バルーンは内視鏡で胃に入れ、食塩水で膨らませます。十分な効果が得られたときや問題があったときは内視鏡で取り除くことができます。

研究班は、デュアル胃内バルーンを60人の肥満患者に使い、加えて通常の生活指導を最低6か月行うことで、体重減少の効果を調べました。

 

◆16.6kg減量

次の結果が得られました。

開始時のBMI38.8kg/m2は6.1単位減少し、平均の体重減少は16.6kg、体重減少割合は15.4%、超過体重の減少割合は47.1%だった。

このデュアル胃内バルーンは概してよく忍容され、患者不耐により早期に取り除かれた例は1件、移動なく早期に収縮した例が1件、胃穿孔が1件あった。14人の患者について小さい、臨床的に有意でない潰瘍または侵食がバルーン除去時に記録された。

治療前と比べて体重が平均16.6kg減る効果が見られました。安全性について、1人で胃に穴が開き、1人でバルーンがしぼんでしまい、1人では問題のためバルーンが取り除かれました。

研究班は「この研究はデュアル胃内バルーンが簡単に使え、有意な体重減少をもたらし、安全で、よく認容されたことを示す」と結論しています。

 

肥満治療に生活管理が大事とは言っても、実際に太ってしまった人がやせるのは大変で、現実には限界があります。こうした選択肢があれば、糖尿病などの病気があるのに減量できず困っている人の助けになるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Dual Intragastric Balloon: Single Ambulatory Center Spanish Experience with 60 Patients in Endoscopic Weight Loss Management.

Obes Surg. 2015 May 16 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 25982804]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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