人工眼が失われた視力を取り戻す!網膜色素変性に対するインプラント後3年の報告
失明の原因になる網膜色素変性の進行を止める方法は知られていません。新しい治療として眼鏡に取り付けたカメラから網膜に電気信号を送り、視覚を生み出す装置が使われ、装着後3年まで効果が見られたことが報告されました。
◆網膜色素変性の患者が対象
この研究は、
研究班は、網膜色素変性により視力が衰えた人を対象として、片目にアーガスIIの植込みを行いました。植込みから1年後の有効性がすでに報告されていましたが、3年後までの経過をさらに追跡してまとめました。
◆3年で29人は機能持続、視覚テストに改善
次の結果が得られました。
30人の対象者のうち29人について、植込みから3年後にアーガスIIシステムのインプラントが機能していた。11人の対象者に、計23件の深刻な、装置関連または手術関連の有害事象が起こった。有害事象のすべては標準的な眼科ケアによって治療された。集団として、対象者はすべての視覚機能テストおよび機能的視野評価において、システムを使ったときのほうが使わなかったときよりも
有意 に良好な成績を示した。
アーガスIIは3年後に30人中29人で機能していました。視覚を調べるテストで、アーガスIIにより成績の改善が見られました。
研究班は「アーガスIIの試験の3年の結果は、網膜色素変性により
2015年7月、マンチェスター大学は加齢黄斑変性の患者にアーガスIIを使って効果が見られたことを発表しました。網膜色素変性とともに治療が非常に難しかった病気に対して画期的な新治療となるかどうか、今後の報告に期待がかかります。
執筆者
Long-Term Results from an Epiretinal Prosthesis to Restore Sight to the Blind.
Ophthalmology. 2015 Jul 7 [Epub ahead of print]
[PMID: 26162233]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。