◆49人の55の膝を治療
韓国の研究班は、次の対象者についての治療結果を調べました。
計49人の患者(55の膝)が変形性膝関節症に対する間葉系幹細胞移植のあとで後ろ向きに評価された。
変形性膝関節症の治療として間葉系幹細胞移植を受けた人について、結果を集計しました。
◆治療前後で改善あり
次の結果が得られました。
治療前後でIKDCは37.7±6.3から67.3±9.5へ、Tegner activity scoreは2.2±0.7から3.8±0.7(いずれもP<0.001)と有意に改善した。
治療前と比べて、日常生活などの活動性を評価するスコアに改善がありました。
研究班は「変形性膝関節症に対する間葉系幹細胞移植の臨床帰結は支持的である」と結論しています。
間葉系幹細胞移植が治療法のひとつとして確立されるかどうか、今後の報告に期待がかかります。
間葉系幹細胞移植のうちでも滑膜に由来する細胞を使った治療が日本で試されているほか、変形性膝関節症の治療には多くの試みがあります。そのうちいくつかを紹介していますので、関心のある方はあわせてご覧ください。
「変形性膝関節症の新治療になるのか?幹細胞で膝関節の軟骨が再生」
http://medley.life/news/item/559402adabe97cfa00f25173
「変形性膝関節症にヒアルロン酸の関節内注射は実際に効くのか?2万人のデータで検証」
http://medley.life/news/item/559cca5d9e799f8900413ceb
「変形性膝関節症にキネシオテーピング、膝の痛みが軽減」
http://medley.life/news/item/5594b134abe97c3501f24fd3
執筆者
Mesenchymal Stem Cell Implantation in Knee Osteoarthritis: An Assessment of the Factors Influencing Clinical Outcomes.
Am J Sports Med. 2015 Jun 25 [Epub ahead of print]
[PMID: 26113522]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。