2015.07.20 | ニュース

心臓再同期療法が心不全を改善、入院・生活の質・運動能力に対する効果

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from Technology Assessment Report
心臓再同期療法が心不全を改善、入院・生活の質・運動能力に対する効果の写真
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心不全にはさまざまな原因がありますが、不整脈が原因の場合の治療のひとつに、再同期療法があります。これまでの研究論文を検証した研究から、再同期療法によって心不全による入院を減らすなどの効果が見られたことが報告されました。

心不全は、心臓や血管の異常により、血液を送り出す機能が十分に果たせなくなった状態です。心筋梗塞先天性心疾患などさまざまな原因で起こりますが、不整脈の一種により、左心室右心室が収縮するタイミングがずれているときにも起こることがあります。

このような場合に、ペースメーカーで左心室と右心室を同時に刺激することによって、効率よく血液を送り出せるようにする治療が再同期療法(両心室ペーシング)です。

不整脈の急な悪化による突然死を防ぐ狙いで、植込み型除細動器(ICD)と併用されることもあります。

 

◆過去の報告を検証

研究班は、再同期療法の効果を評価するため、論文データベースから過去の文献を集めました。再同期療法とICDの併用をICDのみの治療と比較して、またはICDを使わない再同期療法をペースメーカーなしの薬物治療と比較して、効果を調べた研究を集めて検証し、内容をまとめました。

 

◆入院防止、生活の質改善など

集まった60件の研究から、次の結果が得られました。

高い強さのエビデンスによって、再同期療法とICDの併用は、ICDだけの治療と比べて、心不全による入院を減らし、心室のリバース・リモデリングを誘導し、生活の質を改善し、6分間の廊下歩行距離を延ばすことに有効と見られた。

中等度のレベルのエビデンスによって、除細動器を使わない再同期療法は、最適な薬物のみの治療に比べて、全生存率を改善し、心不全による入院を減らすことに有効と見られた。

再同期療法とICDの併用には、ICDだけの治療と比べて、心不全による入院が少なくなり、生活の質が改善し、運動能力が改善する効果が見られました。また、再同期療法には、薬物のみの治療と比べて、生存率が改善し、心不全による入院が少なくなる効果が見られました

 

再同期療法は比較的新しい技術ですが、こうした実績が作られつつあります。この研究では得られなかった、結果の良し悪しを左右する要因、ICDを併用する場合としない場合の比較などの情報が加われば、さらに使い方が洗練されていくかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Use of Cardiac Resynchronization Therapy in the Medicare Population.

Technology Assessment Report. 2015 Mar 24

 

http://www.cms.gov/Medicare/Coverage/DeterminationProcess/Downloads/id100TA.pdf

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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