◆早期患者が対象
研究班は、早期関節リウマチの患者で、メトトレキサートの治療を受けたことがなく、検査結果から進行するリスクが高いと見られた人を対象として、次のように試験を行いました。
患者は52週間のCZP+MTXまたはPBO+MTXに1:1にランダム割り付けされた。
参加者はメトトレキサートとセルトリズマブの併用(CZP+MTX)で治療されるグループと、メトトレキサートと偽薬(PBO+MTX)で治療されるグループにランダムに分けられ、52週間の治療後の結果を比較されました。
◆併用で効果増
試験から次の結果が得られました。
CZP+MTX群はPBO+MTX群に比べて、より大きな画像上の進行抑制を52週時点(mTSSの変化量0.36 vs 1.58、p<0.001)および24週時点(mTSSの変化量0.26 vs 0.86、p=0.003)で示した。SDAI、Boolean、DAS28-ESRに基づく臨床的寛解率はCZP+MTX群でPBO+MTX群に比べて24週と52週時点で有意に高かった。
メトトレキサートとセルトリズマブを併用するグループのほうが、治療開始後24週、52週での進行が少なくなり、また症状が一定水準よりも軽くなる「臨床的寛解」に至った割合が大きくなっていました。
関節リウマチは、適切に治療されない場合、関節の症状が重くなって歩けなくなったり、環軸椎亜脱臼によって呼吸障害など深刻な状態に陥ることもあります。しかし最近の治療薬によって、この研究でも報告されているように、症状が軽い状態に抑えられる場合も多くなっています。改良を積み重ねることで、関節リウマチに苦しむ人を少なくすることが望まれます。
執筆者
The first double-blind, randomised, parallel-group certolizumab pegol study in methotrexate-naive early rheumatoid arthritis patients with poor prognostic factors, C-OPERA, shows inhibition of radiographic progression.
Ann Rheum Dis. 2015 Jul 2 [Epub ahead of print]
[PMID: 26139005]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。