2015.07.19 | ニュース

オリーブオイルのポリフェノールが動脈硬化を防ぐ?LDLへの影響

ヨーロッパ男性25人のクロスオーバーランダム化試験

from The Journal of nutrition

オリーブオイルのポリフェノールが動脈硬化を防ぐ?LDLへの影響の写真

オリーブオイルが心筋梗塞などの心血管疾患を防ぐという説があります。この研究では、ポリフェノールが少ないオリーブオイルよりも、ポリフェノールが多いオリーブオイルを摂取したときに、動脈硬化の要因と見られる血液の検査値が低くなっていました。

◆ポリフェノールの量を変えて3週間ずつ摂取

研究班は、ヨーロッパの健康な成人男性25人を対象に、次の試験を行いました。

ボランティアは毎日25mLずつ、生のポリフェノール含有量が少ないオリーブオイル(LPCOO群、366mg/kg)またはポリフェノール含有量が多いオリーブオイル(HPCOO群、2.7mg/kg)を3週間摂取した。

対象者はポリフェノールが少ないオリーブオイル(LPCOO)かポリフェノールが多いオリーブオイル(HPCOO)のどちらかを毎日3週間摂取し、そのあと2週間の休みを挟んで、最初に摂取したものとは違うほうのオリーブオイルを3週間摂取し、それぞれの期間で血液検査を受けました。

 

◆ポリフェノールが多いほうがLDLを少なくする

血液中に見られたapoB-100、総LDL粒子数、小粒子LDL粒子数という、動脈硬化を進める方向に働くと考えられる指標が、HPCOOを摂取したときのほうがLPCOOを摂取したときに比べて統計的に有意に小さくなっていました

 

オリーブオイルのポリフェノールにもし動脈硬化を防ぐ効果があるなら、何かの形で治療に応用できるかもしれません。この研究で観察された変化が、実際の発症率などにつながるかどうかが気になります。

なお、オリーブオイルの効果についてはほかの研究も紹介しています。関心のある方はあわせてご覧ください。

「地中海食+毎週1リットルのエクストラバージンオリーブオイルで認知機能に好影響」

http://medley.life/news/item/556bd5af42e56fb7035256cd

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Olive Oil Polyphenols Decrease LDL Concentrations and LDL Atherogenicity in Men in a Randomized Controlled Trial.

J Nutr. 2015 Jul 1 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26136585]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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