◆動的神経モビライゼーションとは
手足、体幹の構えを変化させる運動により、筋肉や神経の伸縮、滑走を促し、症状の改善につなげることを狙って行われる治療手法です。
◆動的神経モビライゼーション群と対照群にランダムに振り分け
今回の研究では、線維筋痛症患者48名を動的神経モビライゼーション群と対照群にランダムに振り分け、動的神経モビライゼーション群では1週間に2回の治療を8週間行い、痛み、神経の動きに対する効果を検証しました。対照群は、通常のケアを受けました。
◆動的神経モビライゼーションの方が痛みの改善に有効
調査の結果、以下のことを報告しました。
痛みの程度、上下肢の神経の動き、機能、疲労に関して、2群間に有意な差(p<0.05)が認められた。
また、介入前後での差が、介入群では有意であった一方、対照群では有意な変化は認められなかった。
動的神経モビライゼーションを実施した群では、通常のケアを受けた群と比べて、痛みや神経の動きがより改善する結果でした。
今回の結果のみでは断定することはできませんが、治療が確立されていない線維筋痛症に対して、新たな治療手段となれるかどうか、今後の検証が期待されます。
執筆者
Results of an active neurodynamic mobilization program in patients with fibromyalgia syndrome: a randomized controlled clinical trial.
Arch Phys Med Rehabil. 2015 Jul 1
[PMID: 26143052]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。