2016.03.25 | ニュース

変形性膝関節症の痛みや活動制限には、全身振動療法と筋トレが有効?

99人を検証

from Clinical rehabilitation

変形性膝関節症の痛みや活動制限には、全身振動療法と筋トレが有効?の写真

変形性膝関節症は加齢に伴って膝関節が変形し、痛みが出現することで歩くことが難しくなったり、日常生活に制限をきたす疾患です。変形性膝関節症を持つ人の痛みや日常生活制限にはどのようなリハビリが効果的なのでしょうか?

◆全身的振動療法+筋力トレーニングの効果を検証

全身振動療法とは、機器を利用して全身に振動刺激を与えるものです。振動の周波数を変えたり、適用時間を変えることで筋力増強効果やリラックス効果などを得ることができます。

研究班は、変形性膝関節症を持つ99人を対象としました。対象者を2群に分け、全身的振動療法と大腿四頭筋筋力トレーニングを行う群49人、大腿四頭筋筋力トレーニングのみを行う群50人としました。また、対象者の痛みや歩行能力、日常生活動作などの変化について定期的に評価し、身体機能や生活の変化について把握しました。

 

◆全身的振動療法+筋力トレーニングにより痛み、日常生活動作などが改善

以下のような結果が得られました。

大腿四頭筋筋力トレーニングと比較し、全身的振動療法と大腿四頭筋筋力トレーニングは4週間時点でのVAS、16週間時点でのVAS、6MWD (p=0.01)、WOMAC痛み (p=0.01)、WOMAC身体機能(p=0.02)、24週時点での全ての主要アウトカム (全てp<0.01)においてより大きな改善を示した。

全身的振動療法と大腿四頭筋筋力トレーニングを実施した群は、痛みや歩行能力、日常生活動作などがより大きく改善しました

研究班は、「6ヶ月間において、全身的振動療法と大腿四頭筋筋力トレーニングは全てのアウトカムにおいて大腿四頭筋筋力トレーニングよりも優れていた。」と結論しています。

 

多くの高齢者が悩まされる変形性膝関節症ですが、痛みを緩和させたり日常生活動作を改善するために、手術や薬のほかの対策を考える上では、この結果が役立つかもしれません。

執筆者

針谷 遼

参考文献

Effects of Whole Body Vibration Exercise associated with Quadriceps Resistance Exercise on functioning and quality of life in patients with knee osteoarthritis: A randomized controlled trial.

Clin Rehabil. 2015 Oct 1. [Epub ahead of print]

[PMID: 26427960]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る