2015.07.11 | ニュース

飛蚊症の原因を光干渉断層法で検討、硝子体混濁に手術不要と判断

アイルランド37歳女性の症例報告
from BMC ophthalmology
飛蚊症の原因を光干渉断層法で検討、硝子体混濁に手術不要と判断の写真
(C) Matthew Cole - Fotolia.com

眼球に入った光は、中央にある硝子体という透明な部分を通って、後ろの網膜に届きます。硝子体の中に、光を遮るものができると見えにくくなり(硝子体混濁)、ごみのようなものが見える「飛蚊症」を起こすこともあります。治療には硝子体を取り除く手術がありますが、原因によっては自然に治ることもあります。その判断は難しいですが、アイルランドから、光干渉断層法という画像検査が役に立ったという例が報告されました。

◆飛蚊症から硝子体混濁を発見

報告は37歳の女性に起こった硝子体混濁が、飛蚊症の症状から見つかったことについてなされています。

この人は突然左眼の視野に輪のような形の飛蚊症が見えるようになったことで受診しました。後部硝子体剥離、嚢虫症、包虫症など、突然の飛蚊症を起こしうる病気の検査が行われましたが、原因は特定されませんでした。眼球の超音波検査で調べたところ、硝子体の中に、大きさ4mmほどの袋状の構造(のう胞)が見つかりました。

治療チームは、のう胞を光干渉断層法でさらに観察しました。光干渉断層法は普通、網膜などの観察に使われるもので、眼球の中身の様子を立体的に画像で表示することができます。検査の結果、のう胞が周りに影を落としたため飛蚊症の症状を起こしたと見られる様子が観察されました。

 

◆手術は不要と判断

光干渉断層法で観察した結果から、のう胞は悪化する恐れは小さく、自然によくなる可能性もあると見られたため、女性の選択により、手術などの治療は行われませんでした。3か月後にはのう胞の位置が変わり、光が網膜に入る途中を遮らないようになったので、症状はほぼなくなりました。

研究班は「知る限り、この報告は光干渉断層法を大きな硝子体混濁による症状の他覚的質的評価に使った初めての例」であるとしています。

 

眼の治療にはしばしば繊細な判断が必要になります。治療しなければ失明に至る病気もある一方で、手術のリスクはゼロとは言えません。光干渉断層法から得られる情報が役に立つ場合もあるのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Objective assessment of symptomatic vitreous floaters using optical coherence tomography: a case report.

BMC Ophthalmol. 2015 Mar 8

 

[PMID: 25884156]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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