2015.06.23 | ニュース

磁石のリングが逆流性食道炎を止める

5年間の効果と安全性
from Clinical gastroenterology and hepatology : the official clinical practice journal of the American Gastroenterological Association
磁石のリングが逆流性食道炎を止めるの写真
(C) Africa Studio - Fotolia.com

胃や腸の消化液が逆流し、食道を傷付けてしまう胃食道逆流(逆流性食道炎)は、胃酸の分泌を抑えるPPIという薬などで治療されますが、薬以外の治療法も開発されています。磁石を数珠のようにつないだ「磁気括約筋補強装置」は、食道と胃のつなぎ目を外側から締めることで、そこにある括約筋が逆流を止める働きを助けます。5年間体に入れたままにした結果、大きな副作用なく効果を挙げられたことが報告されました。

◆アメリカ・オランダの成人に使用

研究班は次のようにして磁気括約筋補強装置の効果と安全性を試しました。

アメリカとオランダの14の施設で、6か月以上続く胃食道逆流症があり、毎日服用のPPIによって部分的に応答があり、食道の病的酸曝露があると確かめられた成人100人を対象に、磁気デバイスの安全性と有効性についての前向き研究を行った。

アメリカとオランダで、胃食道逆流のある100人の成人に磁気括約筋補強装置を取り付け、5年間追跡調査しました。

 

◆生活改善、大きな問題なし

装置を取り付けてから5年後に次の結果が得られました。

フォロー期間に、デバイスの侵食、転位、機能不全は起こらなかった。

中等度から重度の逆流はベースラインで対象者の57%にあったが、5年後には1.2%だけになっていた。    すべての患者が、必要なときにはげっぷ、嘔吐ができると答えた。不快な嚥下障害はベースラインで5%にあり、5年後には6%にあった。不快なガス膨満はベースラインで52%にあり、5年後には8.3%に減っていた。

装置が外れたり壊れたりした人はいませんでした。胃食道逆流が比較的重症である人の割合は、調査開始時に57%でしたが、5年後には1.2%になっていました。大きな副作用は見られませんでした。

研究班は「これらの結果は、胃食道逆流のある患者に対して磁気括約筋補強装置の長期的な安全性と有効性を立証する」と結論しています。

 

この装置は日本では承認されていませんが、いつか使えるようになれば、助けられる人がいるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Long-Term Outcomes of Patients Receiving a Magnetic Sphincter Augmentation Device for Gastroesophageal Reflux.

Clin Gastroenterol Hepatol. 2015 Jun 1

 

[PMID: 26044316]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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