2015.07.01 | コラム

「風邪をひいたら葛根湯」は正しくないかもしれない??

漢方薬と体の症状
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風邪をひいた時に飲む漢方薬と聞いて多くの方が真っ先に思い浮かべるのは「葛根湯」ではないでしょうか?市販薬としても販売されており、身近な風邪薬として広く認知されています。熱や咳などの風邪の諸症状に効果がある葛根湯ですが、"風邪をひいたから葛根湯"とすんなりいかないこともあるようで…。

◆ 葛根湯が推奨される症状とは?

市販でも販売されている葛根湯は風邪の諸症状に効果があり、多くの方に愛用されています。しかしながら風邪をひいたら葛根湯と考えるのはちょっと早計かもしれません。

「自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力があるものの次の症状:感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期…」これは葛根湯の効能又は効果の一部分を抜粋したものです。

ここで注目したいのは「比較的体力がある」や「熱性疾患の初期」という言葉です。

 

◆ 風邪の症状によっても適する漢方薬が異なり…

葛根湯の構成生薬の一つであるマオウ(麻黄)は体内の交感神経を興奮させ、咳を鎮めたり、解熱作用などが期待できる生薬です。

実際に葛根湯は発熱がある場合に使用することが多いのですが(肩こりなど風邪でない症状に使用する場合もあります)、平熱をはるかに上回る高熱に関しては若干効果が不足する可能性もあり、その場合には葛根湯よりマオウを多く含む麻黄湯(マオウトウ)という漢方を使用した方が良い場合もあります。

反対にあまり体にあまり発熱を感じていない状態、言い換えると比較的体力がなく、寒気を伴うような発熱がある状態などでは麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)という漢方などが使われる場合があります。

このように同じマオウという生薬を含む漢方薬でも、体の症状などによって使い分けた方がよい場合もあります。また同じような症状でも風邪のひき始め(急性期)と発症から時間が経った状態(亜急性期や遷延期など)では異なる漢方薬が適する場合もあり、葛根湯以外にも風邪に対して用いる漢方薬は様々です。

風邪をひいたら葛根湯」は、

風邪のひき始めで、まずまずの熱や咳などが出ている状態などでは葛根湯

と考え、症状が大きく違う場合や葛根湯を飲んでも体調がよくならない場合などはその時の症状に合った漢方薬が必要であるかもしれません。判断に迷った場合などは医療機関への受診も含めて、医師や薬剤師にご相談下さい。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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