◆シンバイオティクスヨーグルトと普通の乳飲料で比較
研究班は、生後12か月から48か月の健康な子どもを対象者として、2つのグループに分けました。
16週間の試験中毎日1回、一方のグループ(シンバイオティクス群)は有益と見込まれた3種類の細菌とイヌリンという糖質を含んだヨーグルト飲料を、もう一方のグループ(対照群)はシンバイオティクスではない酸味を付けた乳飲料を飲みました。
◆発熱が減少、社会的機能にも好影響
試験の結果は次のとおりでした。
対照群73人に比べて、シンバイオティクス群76人の子どもは発熱を報告された日の数が有意に少なく(1.85 vs 1.95、P<0.05)、社会的機能が有意に向上し(介入前後の変化についてP<0.035)、学校での機能が有意に向上した(介入前から介入中の比較についてP<0.045)。一日に3回以上の軟便・水様便がある日の数はシンバイオティクス群で有意に多かった(P<0.05)。
シンバイオティクス群の子ども76人は、対照群の子ども73人よりも発熱する日が少なく、社会的機能と学校での機能にプラスの変化がありました。その一方で、便が緩くなることが多くなっていました。
人間の体には多くの微生物が寄生・共生しています。中には病気の原因になるものもありますが、有益な働きをするものもあると言われています。腸内細菌の働きは最近研究されつつあり、その役割は今後しだいに明らかになっていくかもしれません。
執筆者
Randomized, double-blind, placebo-controlled study of synbiotic yogurt effect on the health of children.
J Pediatr. 2015 Jun
[PMID: 25841539]
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