2015.05.29 | ニュース

ピーナッツアレルギーを治す「舌下免疫療法」の効果はいかに?

3年間の治療で10%にアレルギー反応消失

from The Journal of allergy and clinical immunology

ピーナッツアレルギーを治す「舌下免疫療法」の効果はいかに?の写真

アレルギーの治療のひとつに、舌下免疫療法(SLIT)という方法があります。舌下免疫療法とはアレルギーを起こす成分を口の中に含ませて、体をならしていく治療です。アメリカで最近行われた研究では、3年間ピーナッツアレルギーの舌下免疫療法を行った結果、患者の約10%でアレルギー反応がなくなっていました。

◆3年間のピーナッツSLIT療法

著者らは以下の方法で調査を行いました。

12才から40才の40人の患者に毎日ピーナッツSLIT療法を行い、治療開始2年後と3年後に、10gのピーナッツ粉末を用いて処置への応答を検討した。治療開始3年後には、不応答の持続性を調べるため、SLITを8週間止めた後もう一度10gのピーナツ粉末による試験と、ピーナッツバターを食べる試験を行った。

つまり40人にSLIT療法を3年間続け、その後アレルギー免疫反応によって、体が過剰な防御反応を起こして悪影響が生じてしまう状態反応が出るかどうか、10gのピーナッツ粉末を飲む試験で調べました。

さらに、SLIT療法を止めた後もアレルギー反応を抑える効果が続いているかどうか、ピーナッツ粉末とピーナッツバターで試しています。

 

◆アレルギー反応消失は1割

以下の結果となりました。

約18,165回服用のうちおよそ98%は重篤な症状またはエピネフリンの使用なく、中咽頭より先での副作用もなく許容された。高割合(50%以上)の治療中断があった。調査終了時まで、37人中4人(10.8%)のピーナッツSLIT処方患者は完全にピーナッツ粉末10gに対して脱感作生体がある物質と接触した時に、その物質を生体へのアレルゲン(抗原)として認識するようになること。アレルギーが起きる前に必ず必要な準備段階し、4人全員持続的な不応答性を実現した。

つまりSLIT療法を続けている間、酷いアレルギー反応は見られず、治療を受けた人の10.8%はピーナッツへのアレルギー反応が無くなりました

ただし、治療を受けた人の過半数が、予定された3年間SLIT療法を続けることなく途中でやめていました。

著者らは、「ピーナッツSLIT療法は緩やかな脱感作を引き起こし、3年以上免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患活性を低下させ、長期間の優れた安全性をもたらした。しかしながら殆どの患者は3年までに治療を中断し10.8%しか持続した不応答を示さなかった」と述べています。

手法自体に問題はなさそうですが、50%の中断が気になる所です。アレルギー反応は個人差もあるので、難しい点です。スギ花粉などに対しても行われる舌下免疫療法の効果を見渡すと、10%でアレルギー反応がまったく出なくなったというのは良い結果であり、更に割合を増やす為の研究が望まれます。

執筆者

高田


参考文献

Sublingual immunotherapy for peanut allergy: Long-term follow-up of a randomized multicenter trial.

J Allergy Clin Immunol. 2015 May

[PMID: 25656999] http://www.jacionline.org/article/S0091-6749(14)03745-2/abstract

*本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]