2015.05.28 | ニュース

初潮が早い人も遅い人も心臓病のリスクが高くなる!?

イギリスで120万人の女性を調査

from Circulation

初潮が早い人も遅い人も心臓病のリスクが高くなる!?の写真

初潮の早期化(早発月経)は冠動脈疾患のリスクと関係があることが知られていますが、この関連について、初潮年齢が幅広い対象者の集団から得られた情報はあまりありません。今回の研究では、大規模健康調査のデータから初潮年齢と心疾患リスクの関連性を検証した結果、初潮が早くても遅くても、冠動脈疾患のリスクが高かったことが報告されました。

◆初潮年齢を3群に分類し、心疾患の発症や高血圧症との関連性を検討

今回の研究では、イギリスの大規模健康調査から得られたデータを用いて、以下の方法で、初潮年齢と冠動脈疾患(虚血性心疾患)や高血圧症の関連性を検証しました。

過去に心疾患、脳卒中、がんを発症していない120万人の女性(年齢の平均±標準偏差は56±5歳)において、初潮年齢は13歳が25%、10歳以下が4%、17歳以上が1%であった。

11.6年の追跡期間を得ると、73,378人が冠動脈疾患、25,426人が脳血管疾患、249,426人が高血圧症で初回入院または死亡していた。

ということで、初潮年齢が13歳、10歳以下、17歳以上で、心血管疾患リスクがどのように異なるか、統計解析を用いて比較しました。

 

◆初潮年齢が早くても遅くても、心疾患のリスクは高い

調査の結果、以下のことがわかりました。

冠動脈疾患と初潮年齢の関係性は、U字型を呈していた。

冠動脈疾患を発症する調整済み相対リスクは、初潮年齢が13歳である人と比べて、10歳以下の人は1.27(95%信頼区間1.22-1.31、p<0.0001)、17歳以上の人は1.23(95%信頼区間1.16-1.30、p<0.0001)であった。

脳血管疾患や高血圧症に関しても、U字型の関連性を示していたが、その関連性の程度は初潮年齢が早くても遅くても、冠動脈疾患よりも小さかった。

つまり、初潮が早すぎても、遅すぎても、冠動脈疾患を発症するリスクが高いという結果でした。脳血管疾患や高血圧症に関しても、同様の関連性があったと報告されています。

 

初潮年齢が冠動脈疾患リスクに影響する仕組みは明らかではありませんが、関連が示唆されました。なお、特定の病気が初潮年齢に影響する可能性もあるため、何かおかしいと思ったら医師に相談することをお勧めします。

執筆者

MT

参考文献

Age at menarche and risks of coronary heart and other vascular diseases in a large UK cohort.

Circulation. 2015 Jan 20

[PMID: 25512444]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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