大腸がんのスクリーニング検査は何歳まで必要か?
大腸がんは、50代以降から発症する人が増えるとされ、高齢になるほど発症する割合が高くなる傾向にあります。 今回、アメリカの研究チームが大腸がんのスクリーニング検査と大腸がんによる死亡率の関係を調査したところ、スクリーニングは平均余命が10年以上ある場合に行うことが適しているのではないかと提言しました。
◆論文調査およびデーターベース調査を行う
研究チームは論文データベースから過去の研究を調査し、軟性S状結腸鏡検査による
◎S状結腸鏡検査とは?
直腸やS状結腸にポリープや
腸の内部を観察するためのレンズとライトがついたチューブ状の器具を肛門から入れて検査します。
レンズで見えたものにがんの疑いがある場合は、チューブを通して送り込んだ器具で組織を切除し、顕微鏡で観察します。
◆スクリーニングしてから10年後の時点で1000人に1人、死亡を防ぐ
研究結果は以下のとおりです。
4件の研究が採用された(総被験者数459,814人)。
これらの研究の、患者の年齢(50〜74歳)、追跡期間(11.2〜11.9年)、大腸がんに関連する死亡の相対リスク(軟性S状結腸鏡検査のスクリーニングを行った群で0.69〜0.78)は類似していた。
1000人のスクリーニングによって、大腸がんに関連する死亡者は調査開始から5年時点で0.3、10年時点で1.2人防ぐことができた。
絶対リスクが0.0002減少する(5,000回の軟性S状結腸鏡検査のスクリーニングで大腸がんによる死を1人防ぐ)のを観察するのに4.3年要した。
絶対リスクが0.001減少する(1,000回の軟性S状結腸鏡検査のスクリーニングで大腸がんによる死を1人防ぐ)のを観察するのに9.4年要した。
研究チームは「この結果から、軟性S状結腸鏡検査のスクリーニングは、平均余命が約10年以上ある中高齢者に行うことが最も適していると示唆される」と述べています。
スクリーニングの検査が有効であるかどうかや適しているかどうかは、何をもって「有効である」または「適している」かを決めるかによって変わってきます。
今回の報告では、「1000回の
執筆者
Time to benefit for colorectal cancer screening: survival meta-analysis of flexible sigmoidoscopy trials.
BMJ. 2015 Apr 16
[PMID: 25881903]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。