◆男性456名の精液を採取
英国スタンフォード大学の研究チームは、精子の数や形態と生活習慣の関連性を検討しました。
研究の参加者は、「1年間子作りに取り組んでいる501組のカップルのうち、すべてのデータを得ることができた456名の男性(平均年齢31.8歳)」とし、これらの男性参加者たちは、「精液の採取と個人特性などを含む生活習慣の聴取に参加」しました。
◆高血圧、肉体労働が精子の数や形態と関連!?
調査の結果、以下のことがわかりました。
高血圧の男性はそうではない男性と比べて精子が形態異常がある男性の割合が高く(21% vs 17%)、肉体労働を行っている男性はそうではない男性と比べて精子減少症の男性の割合が7%高かった(13% vs 6%)。
何らかの病気の治療として服薬中の人は精子の数が少ない傾向があった。
また、その他の要因に関して、精子の数や形態との関係は認められなかったようです。
精子の数や形態には生活習慣として、高血圧の人、肉体労働を行っている人、何らかの服薬をしている人と関連があることが明らかとなった報告です。今回の研究では、時系列を追って関連性を検証しているため、因果関係についても多少は言及できるかもしれません。今回の結果を受けて筆者らは、「これらの要因は改善可能なので、今後は治療方法に関して検討していく必要がある」と述べていますので、今後その因果関係をさらに追求していくことになるのでしょう。
精子の数や形態と肉体労働が関連している可能性があるとは驚きです。それらがどのように関連しているか、議論の余地はまだまだありそうです。
執筆者
Relationship between physical occupational exposures and health on semen quality: data from the Longitudinal Investigation of Fertility and the Environment (LIFE) Study.
Fertil Steril. 2015 May
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。