2015.05.01 | ニュース
尿に細菌がいても症状がなければ「経過観察でOK」
過去の研究データからイスラエルのチームが分析
from The Cochrane database of systematic reviews
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何も自覚症状がなく尿から細菌が見つかること(無症候性細菌尿)があり、特に高齢女性や糖尿病の人によく見られます。このような場合に治療は必要なのでしょうか? この疑問に対して、イスラエルの研究班が、過去の研究を比較検証し、「治療の必要はない」という結論を出しました。
◆9件の研究から1,614人分の情報を収集
研究班は、過去の先行研究を論文データベースから検索し、症状のない
◆重症化に差がない
抗菌薬を処方されたグループと、
抗菌薬を処方されたグループでは、尿から細菌がなくなる割合は多くなっていましたが、薬剤の副作用も多くなっていました。いずれの場合も
研究班は、「症状のない細菌尿を治療することによる利点はこれらの研究からは見いだせない」と結んでいます。
細菌尿と言われた人は、排尿に関する症状があるかどうか確認するようにしてください。
執筆者
参考文献
Antibiotics for asymptomatic bacteriuria.
Cochrane Database Syst Rev. 2015 Apr 8
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。