脳梗塞を超早期に治療可能、CT搭載型のスーパー救急車が登場!
脳梗塞の治療に、血管が詰まる原因である血栓を溶かすt-PA治療(血栓溶解療法)があります。 早期に治療開始できれば、より効果が高いと言われています。 通常、t-PA治療を行うかどうかの判断には病院でCT検査やMRI検査が必要ですが、今回、ドイツの医療チームがCT検査を救急車に搭載することによって脳梗塞の診断と治療を素早く行うことができ、良好な結果が得られたことを報告しました。
◆t-PA治療とは?
脳梗塞に対する効果的な治療法ですが、脳内出血するリスクがあるため、日本では脳梗塞
◆CT搭載型救急車で出動
2011年5月から2013年1月で,
この救急車で出動をする週と通常の救急車で出動する週をランダムにわけ、両群を比較分析しました。
◆1時間以内の効果的なt-PA治療が6倍に
結果、CT搭載型救急車を使用した群はt-PA治療が行うことができた割合が32.6%(614例中200例)で、通常の治療群22.0%(497例中330例)に比べ高い割合で治療を行うことができています。
このうち、最もt-PA治療効果が高いとされる、発症1時間以内に治療が行うことができた割合は、CT搭載型救急車を使用した群が通常治療群の約6倍にもなりました。
その一方、CT搭載型救急車を使用しても、統計学的に脳内出血のリスクおよび治療後7日間の死亡率は増加しないという結果が示されました。
研究グループは「今回の取り組みによってtPA療法までの時間を約25分短縮し,効果的にt-PA療法を行うことができ,
日本でもCTを搭載の救急車を使用した救急体制の導入が行われることが望まれそうです。
ちなみにこの装置、1台1.2億円もするそうです。
執筆者
Effect of the use of ambulance-based thrombolysis on time to thrombolysis in acute ischemic stroke: a randomized clinical trial.
JAMA. 2014 Apr 23-30
[PMID: 24756512]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。