HIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬) - 解説(効能効果・副作用・薬理作用など) | MEDLEY(メドレー)
HIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬)
低酸素誘導因子ープロリン水酸化酵素(HIF-PH)という物質の働きを阻害することで、低酸素誘導因子(HIF)によるエリスロポエチン(EPO)産生を誘導し、赤血球産生を促進させることで慢性腎臓病(CKD)などによる貧血(腎性貧血)を改善する薬

HIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬)の解説

HIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬)の効果と作用機序

  • 低酸素誘導因子ープロリン水酸化酵素(HIF-PH)という物質の働きを阻害することで、慢性腎臓病(CKD)などによる貧血を改善する薬
    • 慢性腎臓病(CKD)などの腎機能が低下した状態では赤血球産生を促すエリスロポエチン(EPO)の産生が低下し貧血が引き起こされる
    • EPO産生は低酸素誘導因子(HIF)という酵素の働きなどによって促される
    • 本剤はHIFの分解に関わるHIF-PHに対して阻害作用をあらわす

HIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬)の薬理作用

腎臓では赤血球の分化を促すエリスロポエチン(EPO)が産生されていて、通常(健常状態)では、ヘモグロビン濃度の低下に見合った量のEPOが産生されている。

慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)は、なんらかの理由によって腎機能低下が続いている状態で、この状態では酸素濃度低下に応じたEPOが産生されなくなり、貧血(腎性貧血)が引き起こされる。

血液中には低酸素誘導因子(HIF:Hypoxia Inducible Factor)と呼ばれる酸素濃度の低下を感知する細胞内の酸素センサー的役割を果たしている物質があるが、慢性腎臓病(CKD)の病態では、このHIFが関わるEPO産生誘導の仕組みがうまく働いていないため、EPO産生が低下する。HIFは低酸素誘導因子ープロリン水酸化酵素(HIF-PH:Hypoxia Inducible Factor Prolyl Hydoxylase)と呼ばれる物質によって分解されるため、HIFーPHを阻害することができれば、EPO産生の誘導による造血(赤血球産生)が亢進され腎性貧血の改善が期待できる。

本剤は、HIF-PHを阻害する作用により、内因性のEPO産生を誘導し、赤血球産生を促すことで貧血(腎性貧血)を改善する。

HIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬)の主な副作用や注意点

  • 代謝障害
    • 鉄欠乏などがあらわれる場合がある
  • 精神神経系症状
    • めまい、不眠などがあらわれる場合がある
  • 消化器症状
    • 便秘、下痢、吐き気などがあらわれる場合がある
  • 皮膚症状
    • 発疹、痒みなどがあらわれる場合がある
  • 循環器症状
    • 血圧変動、動悸などがあらわれる場合がある
  • 眼症状
    • 本剤の血管新生亢進作用により網膜出血などがあらわれる可能性がある(網膜症や加齢黄斑変性症などの持病がある場合は特に注意が必要)
  • 血栓塞栓症(脳梗塞心筋梗塞など)
    • 頻度は非常に稀とされる
    • 手足の麻痺や痺れ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片足の急激な痛みや腫れなどがみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する

HIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬)の一般的な商品とその特徴

エベレンゾ

  • ロキサデュスタット製剤
    • 通常、週3回、服用する

ダーブロック

  • ダプロデュスタット製剤
    • 通常、1日1回、服用する

バフセオ

  • バダデュスタット製剤
    • 通常、1日1回、服用する

エナロイ

  • エナロデュスタット製剤
    • 通常、1日1回、食前又は就寝前に服用する

マスーレッド

  • モリデュスタット製剤
    • 通常、1日1回、食後に服用する