レボドパ作用増強薬(パーキンソン病、パーキンソニズム治療薬)
パーキンソン病治療においてレボドパ製剤を併用している状況下で、脳内のドパミン放出促進作用などをあらわしドパミン作用を増強することでパーキンソン病における手足の震えや筋肉こわばりなどを改善したり、レビー小体型認知症におけるパーキンソニズムを改善する薬
レボドパ作用増強薬(パーキンソン病、パーキンソニズム治療薬)の解説
レボドパ作用増強薬(パーキンソン病、パーキンソニズム治療薬)の効果と作用機序
レボドパ作用増強薬(パーキンソン病、パーキンソニズム治療薬)の薬理作用
パーキンソン病では脳内のドパミンが不足することで手足の震えや筋肉のこわばりなどがおこる。レボドパ(L-ドパ)はパーキンソン病の治療で中心的な役割を果たす薬で、脳内でドパミンへ変化しパーキンソン病の症状改善が期待できる。
本剤(ゾニサミド(商品名:トレリーフ®))の作用の仕組みは完全には解明されていないが、レボドパを併用している状況でドパミン放出促進作用などをあらわしレボドパの作用を増強及び延長させたり、脳内でドパミンを分解してしまうMAO(モノアミン酸化酵素)という酵素を阻害しドパミン量の低下を抑える作用などが考えられている。
また、認知症のひとつであるレビー小体型認知症では、パーキンソニズム(手足が震えるなどの症状)があらわれるが、その原因としてパーキンソン病と同様のドパミン神経細胞の変性や脱落などが考えられていて、ゾニサミドはこの症状の改善に対しても有用とされている(2018年に「レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム」に対しても保険承認された)。
なお、ゾニサミドは元々、てんかん(反復性の痙攣や意識障害などの発作が起こる脳の病気)の治療薬として開発された薬(主な商品名:エクセグラン)で、パーキンソン病を持つ患者に併発した痙攣発作の治療においてゾニサミドを使ったところ、けいれん発作が治ると共にパーキンソン病自体の症状の改善もみられたことでパーキンソン病への有用性が考えられたという経緯をもつ。
レボドパ作用増強薬(パーキンソン病、パーキンソニズム治療薬)の主な副作用や注意点
- 精神神経系
症状 - 眠気、
不随意運動 、抑うつ 、めまい、幻覚などがあらわれる場合がある
- 眠気、
- 悪性症候群
- 頻度は稀である
- 他の原因がなく高熱が出る、汗をかく、よだれが出る、脈が速くなるなどがみられる場合がある
- 上記のような
症状 が同時に複数みられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
- 消化器
症状 - 食欲不振、吐き気、口渇、便秘などがあらわれる場合がある